こんにちは。外構のスペシャリスト、長谷川造園の長谷川です。
外構の照明には防犯性や安全性を確保するための大切な役割があります。しかしながら、防犯や安全だけを考えた、ただ明るくするためだけの照明よりも照明を使って、おしゃれに外構を演出してみませんか?
照明計画は室内がメインになりがちですが、外構の照明をすることで全体の印象が大きく変わります。外構をライトアップさせて、より一層魅力ある外構の造り方について説明させていただきます。
また、外構の費用を抑えるため照明については、最初考えていなかったけれど、実際住んでみると外構の照明の必要性を感じ、後付けで外構の照明を再検討している方も多くいらっしゃいます。
ここでは、外構工事の際に、ライトアップした時の費用やDIYで設置した時の費用を紹介していきます。
■外構の照明計画をする前に
外構の照明計画をする前に最低でも3つ確認する必要があります。
①何を照らすか
②屋外電源の位置
③照明の種類
- 何を照らすか
照明を設置したい場所で何を照らしたいかがとても重要になってきます。ただ単に照明器具の選定だけでは、魅力ある景観を演出することができません。やみくもに、外壁やカーポートを照らしても美しくはなく、照らされるものによって、景観は大きく変わってきます。
そのため、何を照らしたいかを暗くなってから敷地を周って確認してみてください。また、そこを照らしたい理由や効果についてリストアップすることもおすすめです。
〇門周り
帰宅時や来客時に最初に目につく場所が門まわりです。
暗くなった時間帯、エントランスをおしゃれに見せるには、ライトアップが有効です。ライトアップには、訪問者や帰宅する家族を温かく出迎えたり、表札を認識しやすくするという効果もあります。自宅の入り口付近を明るくすることができることから防犯性を高めることにも繋がります。また、門周りにシンボルツリーや植栽がある場合は、夜でも色鮮やかな印象にすることができ、光と影の演出も楽しむことができます。
〇アプローチ
玄関から敷地の外までを繋ぐアプローチ。足元をライトアップすることで、夜間の帰宅時や来客時に安全に玄関まで誘導することができ、なおかつ空間を演出することもできます。
また、アプローチに植栽がある場合には、それらの色彩も浮かび上がらせることができるので、印象的な空間を演出することができます。
ポールライトやグランドライトなどの様々な種類の照明があるので、造りたい景観によって照明を選ぶようにしましょう。
〇庭
ライトアップすることで、昼間だけでなく夜も楽しめるような外構空間を演出してみましょう。
四季折々に表情を変えて、住まいに豊かな彩りを添えてくれる樹木や草花を室内から眺めていても、その光景に心がホッと和むと思います。太陽の光を浴びた姿も美しいものですが、せっかくの植栽を生かすなら昼間だけではなく、夜は照明でライトアップして、暗闇に浮かび上がる幻想的な光景も楽しんでみませんか。植物たちの新しい魅力を気づかせてくれると思います。日が落ちたあとの庭は昼間とは違う表情があるので、部屋の中から見ても景色を楽しめますし、庭に出て夕涼みをするのにも最適です。
- 屋外電源の位置
外構の照明に使う電源は、太陽光からとるソーラータイプと低電圧の12ボルト電源タイプ、一般家庭で使っている100ボルト電源タイプなどがあります。
ソーラータイプの場合、電源は日中の太陽光から取る形になりますが、他の2つの電源タイプは屋外電源を使用します。近くに外部電源がない場合はソーラータイプであれば、容易に設置することができますが、「モノ」を照らすまでの照度はありません。
ライトアップする場所の近くに外部電源がない場合や外部電源がそもそもないという場合には、
外部電源を新たに設置する工事が必要になってきます。そのため、外部電源を新たに設置する場合にはその分の工事費が必要になってきるため、ライトアップした場所の近くに外部電源があることをあらかじめ確認しておく必要があります。
■外構の照明の種類
外構の照明の種類は、大きく分けて4つあります。
1.ポールライト
2.グランドライト
3.スポットライト
4.ブラケットライト
これらの照明は、設置する目的や場所などに応じて、使用する照明が変わってきますので、まずはこれらの照明について説明します。
〇ポールライト
「ポールライト」は、主にアプローチや主庭(しゅてい)*1などで使用される照明になります。
様々なデザインや高さがあり、見通しのよい空間には背の低いポールライトが適しています。逆に、背の高いポールライトは、生け垣や塀などの造作物がある場所に適しています。
そのため、置き場所に適した高さのものを選ぶのが「ポールライト」のポイントになります。
*1:主庭とは、一般的に「庭」と言われるスペースの中でも最も広い庭のことを指します。主庭は日当たりのいい南側に設けられることが多いですが、敷地の形状や広さによって、東西など南側以外のスペースに設けられることもあります。
〇グランドライト
「グランドライト」は、地中に埋め込む小型のライトで光が上に向かって照射されます。
主に、石張りやコンクリートのアプローチ、タイルやウッドデッキの床面に設置し、芝生や土の場所への設置は不向きです。
〇スポットライト
「スポットライト」は、植栽を演出的に照らすのに適しています。また、光量は他のライトよりもあり、アッパーライトやグランドアップライトとも呼ばれています。光量があるため、シンボルツリーのような高い樹木もしっかりとライトアップして、存在感を強調するとともに、外構を演出的にみせてくれます。
〇ブラケットライト
「ブラケットライト」は、壁面に取り付けるタイプの照明のことです。照明器具自体にデザイン性があり、種類も豊富であるため、様々な配光の種類があります。玄関前や門まわりなどの空間全体を照らす場合は、全面に配光するものが適しています。また、マリンタイプのような漁船などで使われている作業用灯を家庭などでも使えるようにアレンジしたブラケットライトなどもあり、照明器具自体だけでも楽しむことができます。アプローチなどの足元を照らしたい場合は、下方向に配光するものが適しています。様々な配光のものがあるため、演出としての照明なのか、実用的な照明なのかなど、場所や用途によって選ぶものがかわってきます。
■外構工事の際に外構の照明を依頼した時の費用
外構工事の際に照明を設置した場合、1か所約4.5万円程度となり、2か所目から3.5万円程度が相場となります。選定する照明の種類や設置場所、外部電源の有無によって費用は変わってきますが、照明1か所あたり4万円前後が目安となります。また、背の高いポールライトの場合、支柱の基礎工事などの費用も別途かかってきます。
■DIYで外構の照明をした時の費用
お金をかけずに、DIYで外構の照明を設置する方法があります。
DIYした場合の費用は、照明器具代や材料費だけで済むので予算を抑えて設置することができます。
ただし、照明を設置するための手間や時間、デザインや配線をしなければいけないため、その他のコストがかかるということに注意しましょう。また、照明の配線を見えないようにしたりするとなると、外構業者に施工してもらったほうが、費用が掛かりますが依頼したほうがきれいに仕上がります。
そして、DIYで一番注意していただきたい点は、100ボルト電源の照明を取り付ける場合は、電気工事士の資格が必要になります。日本の家庭用電圧は100ボルトと世界的に見ても低く設定さていますが、それでも感電すれば心臓や脳にダメージを受け、重度の場合は死亡するおそれがあるとともに、施工不良による原因で漏電すれば、火災につながる危険性があり、近隣の住宅にも火災に合わせてしまう危険もあります。そのため、DIYでのライトアップはソーラータイプの照明や12ボルト電源タイプの照明に限られます。
DIYで外構の照明を後付けする場合は、12ボルト電源タイプの照明やソーラータイプの照明であれば設置が可能になります。
なお、12ボルト電源タイプの照明を使用する場合は、トランスという電圧を変える機械が必要になってきます。通常の建物には100ボルトの電圧がかかっているのですが、この電圧を12ボルトに変換する機械で、これを使用しないと12ボルト電源タイプの照明を使用することができないので注意してください。
以上、お気をつけいただきたい点は複数ございますが、DIYでも十分に魅力ある外構を演出することができるので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
■まとめ
外構のライティングはDIYで後付けすることもでき、魅力ある外構空間を演出することができます。まずは、「何を照らすか」「屋外電源の位置」「照明の種類」を確認していだき、外構の照明計画をしてください。
外構のライティングはDIYですることも可能ですが、照明の費用のほかにも時間や労力がかかります。また、照明デザインや配線の処理など多くのことを考える必要があります。そのため、DIYで完成までの過程も楽しみたいという場合以外であれば、外構業者に依頼することをおすすめします。弊社であれば、豊富な経験や知識でデザイン性、利便性、予算面などをトータルに考えた外構のライトアップをご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。