家の外回りを整備する際、「プライバシーは確保したいけれど、圧迫感は避けたい」「防犯性も大切だが、風通しも良くしたい」といったバランスの取り方に悩む方は多いでしょう。特に子育て世帯や道路沿いにお住まいの方にとって、目隠しフェンス選びは住環境の快適性を左右する重要な判断です。本記事では、リクシルの目隠しフェンスについて、高さ別の見え方から風通し性能まで数値とともに詳しく解説し、目的に応じた最適な選び方をご紹介します。施工後の後悔を避けるためのチェックポイントも併せてお伝えするので、外構工事を検討中の方はぜひ参考にしてください。
1. リクシル目隠しフェンスの種類と特徴|高さ・素材・デザイン別完全比較
リクシル目隠しフェンスは、アルミ製・樹脂製・スチール製の3つの主要素材で展開されており、それぞれ異なる特性を持ちます。プライバシー確保と防犯性能、デザイン性のバランスを取りながら、道路沿い住宅や子育て世帯のニーズに対応できる豊富なラインナップが特徴です。 高さは1200mm〜1800mmまで選択でき、風通し性能も横格子・縦格子・ルーバータイプで調整可能です。https://www.lixil.co.jp/lineup/gate_fence/fence/
リクシルフェンスサイト
1.1. アルミ製フェンスの特徴
アルミ製フェンスは軽量性と耐久性を両立した最もスタンダードなタイプです。重量がスチールの約3分の1のため、既存基礎への負担を軽減でき、施工性にも優れています。 表面処理により錆びにくく、メンテナンスフリーで長期使用が可能です。
アルミ製フェンスの主な特徴は以下の通りです:
・軽量で施工性に優れ、既存基礎への負担が少ない
・表面処理により錆びにくく、メンテナンスフリー
・豊富なカラーバリエーションで住宅外観との調和が可能
・コストパフォーマンスに優れた中程度の価格帯
・H1800設置時は基礎補強や控え柱の検討が必要
カラーバリエーションも豊富で、住宅外観との調和を図りやすい特徴があります。ただし強風時の風荷重には注意が必要で、H1800の場合は基礎補強や控え柱の検討が推奨されます。価格帯は中程度で、コストパフォーマンスに優れた選択肢といえます。
1.2. 樹脂製フェンスの特徴
樹脂製フェンスは木目調デザインが特徴で、温かみのある外観を演出できます。腐食や変色に強く、木材のような定期的な塗装メンテナンスが不要です。 軽量でありながら衝撃に強く、子育て世帯でも安心して使用できます。
樹脂製フェンスの主な特徴は以下の通りです:
・木目調デザインで温かみのある外観を演出
・腐食や変色に強く、定期的な塗装メンテナンス不要
・軽量でありながら衝撃に強い構造
・和風住宅や自然素材外構との相性が良好
・夏場の熱膨張や紫外線劣化への注意が必要
特に和風住宅や自然素材を活かした外構との相性が良好です。一方で、夏場の熱膨張や紫外線による経年劣化には注意が必要で、濃色系は表面温度が高くなる傾向があります。価格はアルミ製よりやや高めですが、デザイン性を重視する場合の有力な選択肢です。
1.3. スチール製フェンスの特徴
スチール製フェンスは最も高い強度と防犯性能を持つタイプです。重量があるため風荷重に対する安定性が高く、H1800でも安心して設置できます。 防錆処理を施した製品は長期耐久性に優れ、特に沿岸部や工業地域での使用に適しています。
スチール製フェンスの主な特徴は以下の通りです:
・最も高い強度と防犯性能を実現
・重量により風荷重に対する安定性が高い
・防錆処理により沿岸部や工業地域でも長期使用可能
・アルミ製より安価でコストを抑えられる
・既存基礎の補強が必要になる場合がある
価格はアルミ製より安価な場合が多く、コストを抑えたい場合の選択肢となります。ただし重量があるため、既存基礎の補強が必要になるケースがあり、施工費用が増加する可能性があります。また、錆び対策として定期的な点検とメンテナンスが推奨されます。
1.4. 高さ別の目隠し効果比較
フェンス高さによる目隠し効果は、設置場所の地盤高と通行人の視線レベルで決まります。H1200は腰高程度で部分的な目隠し効果にとどまり、庭での作業時の視線遮断に適しています。H1800は最も一般的な高さで、立位の大人の肩から頭部まで隠せるため、プライバシー確保には最適です。
| 高さ | 目隠し効果 | 適用場面 |
|---|---|---|
| H1200 | 腰高程度の部分的遮断 | 庭作業時の視線遮断 |
| H1500 | 立位大人の胸部まで遮断 | リビング窓からの適度な遮断 |
| H1800 | 立位大人の肩から頭部まで遮断 | プライバシー確保に最適 |
H1500は立位の大人の胸部まで隠せ、リビング窓からの視線を適度に遮断できます。ただし高さが増すほど圧迫感も増すため、道路境界では近隣への配慮も必要です。風荷重も高さに比例して増加するため、基礎や支柱の検討が重要になります。
1.5. デザイン別の風通し性能
フェンスデザインは風通し性能に大きく影響し、通風とプライバシーのバランスが重要です。横格子タイプは格子間隔により通風量を調整でき、15mm間隔で約60%、30mm間隔で約80%の通風率を確保できます。ルーバータイプは角度調整により視線を遮りながら風を通せるため、道路沿い住宅に最適です。
| デザインタイプ | 通風性能 | 特徴・適用場面 |
|---|---|---|
| 横格子(15mm間隔) | 約60%の通風率 | 適度なプライバシーと通風の両立 |
| 横格子(30mm間隔) | 約80%の通風率 | 高い通風性を重視する場合 |
| 縦格子 | 横風抵抗が少ない | 風荷重軽減を重視する場合 |
| ルーバー | 角度調整で視線遮断と通風を両立 | 道路沿い住宅に最適 |
| クローズ | 通風性は低い | 最高の目隠し効果を重視 |
縦格子タイプは横風に対する抵抗が少なく、風荷重を軽減できる特徴があります。クローズタイプは目隠し効果は最高ですが通風性は低く、夏場の熱だまりや植栽への影響を考慮する必要があります。セミオープン外構を目指す場合は、部分的に通風性の高いデザインを組み合わせる方法が効果的です。
2. 目的別フェンス選び方|プライバシー・防犯・風通しのバランス最適化
フェンス選びでは、プライバシー確保・防犯性・風通しの3つの要素をバランスよく満たすことが重要です。完全に目隠しすると風通しが悪くなり、風通しを重視すると視線が気になります。あなたの住環境や家族構成に合わせて、最適な組み合わせを見つけることで快適な外構空間を実現できます。
2.1. プライバシー重視の選び方
プライバシーを最優先する場合、高さ1800mm以上のクローズタイプフェンスが効果的です。 隙間のない板状デザインなら、室内や庭での生活を完全に遮蔽できます。ただし風の抜けが悪くなるため、部分的にルーバータイプを組み合わせる方法もあります。
プライバシー確保のポイントは以下の通りです:
・道路からの視線が特に気になる箇所は完全目隠しタイプを設置
・側面は通風性のあるタイプにしてプライバシーと快適性を両立
・リビング窓前や洗濯物干し場周辺では1800mm以上の高さ設定
・部分的なルーバータイプ組み合わせで風通しも確保
この高さ設定により、家族のプライベート空間に安心感をもたらし、近隣からの視線を気にせずリラックスして過ごせる環境を作ることができます。
2.2. 防犯性を高める選び方
防犯面では、侵入を困難にする構造と見通しのバランスが重要です。 高さ1200〜1500mmで上部に忍び返しやトゲ状の装飾があるタイプなら、乗り越えにくく抑止効果を発揮します。完全に閉ざすより、ある程度の透過性を保つことで不審者の隠れ場所を作らず、近隣からの自然な監視効果も期待できます。
防犯性向上のポイントは以下の通りです:
・高さ1200〜1500mmに忍び返しやトゲ状装飾を設置
・適度な透過性で不審者の隠れ場所を作らない設計
・門扉との連携で施錠機能付き製品を選択
・角地や人通りの多い立地では視認性と防犯性を両立
門扉との連携も考慮し、施錠機能付きの製品を選ぶことで、敷地全体のセキュリティレベルが向上します。特に角地や人通りの多い立地では、この視認性と防犯性のバランスが効果を発揮します。
2.3. 風通しを確保する選び方
風通しを重視する場合、ルーバータイプや縦格子デザインが最適です。 板の角度や隙間幅によって通風量を調整でき、夏場の暑さ対策に有効です。高さ1200〜1500mmに設定すれば、プライバシーもある程度確保しながら風の流れを妨げません。
風通し確保のポイントは以下の通りです:
・ルーバータイプや縦格子デザインで通風量を調整
・板の角度や隙間幅で風の流れを最適化
・高さ1200〜1500mmでプライバシーと通風を両立
・基礎工事の強度や支柱間隔を強風対策で調整
台風などの強風時には風荷重を受けやすいため、基礎工事の強度や支柱の間隔に注意が必要です。庭木や植栽と組み合わせることで、自然な風の道を作りつつ、季節に応じた目隠し効果も得られます。
2.4. 子育て世帯向けの選び方
子育て世帯では、安全性と視認性を両立させることが重要です。 高さ1200〜1400mmで、子どもが指を挟みにくい構造を選びましょう。縦格子タイプなら、子どもの様子を外から確認でき、緊急時の対応もスムーズです。
| 要素 | 推奨仕様 |
|---|---|
| 高さ | 1200〜1400mm |
| 構造 | 指を挟みにくい縦格子タイプ |
| 安全性 | 角部分の丸み処理、突起物なし |
| 耐久性 | ボール遊び対応の強化素材 |
角部分の処理や突起物の有無も安全面で重要なポイントとなります。また、ボール遊びなどで破損しにくい耐久性のある素材を選ぶことで、長期的なメンテナンス負担を軽減できます。
庭での遊び場確保と近隣への配慮を同時に実現する設計が、子育て世帯には最適です。
2.5. 道路沿い住宅の選び方
道路沿いの住宅では、通行人の視線遮断と騒音対策が主な目的となります。 高さ1600〜1800mmのセミクローズタイプなら、歩行者レベルの視線をカットしつつ、圧迫感を抑えられます。交通量の多い道路では、排気ガスや粉塵の侵入を防ぐ密閉性の高いタイプも検討価値があります。
| 設置箇所 | 推奨タイプ |
|---|---|
| 玄関周辺 | 開放的な低めの設計 |
| プライベート空間 | 高さ1600〜1800mmの遮蔽タイプ |
| 交通量多い道路沿い | 密閉性の高い防塵対応タイプ |
| 植栽組み合わせ | 緑豊かな都市型住環境演出 |
ただし、防犯上は道路からの適度な見通しも必要なため、玄関周辺は開放的に、プライベート空間は遮蔽するといったメリハリのある配置が効果的です。
植栽との組み合わせで、都市部でも緑豊かな住環境を演出できます。
3. 高さ別圧迫感と見え方ガイド|H=1800からH=2000まで数値で解説
フェンスの高さは、プライバシー確保と圧迫感のバランスを左右する重要な要素です。特に道路沿いの住宅では、通行人からの視線を遮りつつ開放感を保つ高さ選びが求められます。適切な高さ選択により、快適な住環境と美しい外観の両立が可能になります。 ここでは1800mm、1900mm、2000mmの3段階で、実際の見え方と効果を数値とともに解説します。
3.1. H=1800の見え方と効果
H=1800は、成人男性の平均身長(170cm)に対して約10cm高い設定です。道路からの視線に対しては、身長165cm以下の通行人からはほぼ完全に室内が見えなくなります。一方、身長175cm以上の人からは室内の一部が見える可能性があります。
| 項目 | 効果・特徴 |
|---|---|
| プライバシー確保 | 身長165cm以下からの視線を完全遮断 |
| 圧迫感 | 隣地境界から1m以上で適度な囲まれ感 |
| 子育て環境 | 小学生の安全性確保と開放感の両立 |
| 景観への影響 | 庭の奥行きを損なわず自然な印象 |
圧迫感については、隣地境界から1m以上離れた位置では適度な囲まれ感を演出し、庭の奥行きを損なわずに済みます。 子育て世帯にとって、小学生の子どもが庭で遊ぶ際の安全性を確保しながら、過度な閉塞感を避けられる高さといえます。
3.2. H=1900の見え方と効果
H=1900では、身長180cm程度の通行人でも室内への視線が大幅に制限されます。道路面から庭への見下ろし角度が急になるため、リビングのプライバシー確保効果が格段に向上します。
| 項目 | 効果・特徴 |
|---|---|
| プライバシー確保 | 身長180cmでも室内視線を大幅制限 |
| 圧迫感 | 建物から2m以内で1階窓に影響の可能性 |
| 日照への影響 | 南側設置時は冬場の日照要考慮 |
| 防犯効果 | 侵入者への心理的抑制効果あり |
ただし、建物から2m以内にフェンスを設置する場合、1階窓からの景観に圧迫感が生じる可能性があります。特に南側に設置する際は、冬場の日照への影響も考慮が必要です。 防犯面では、侵入者にとって乗り越えにくい高さとなり、心理的抑制効果も期待できます。
3.3. H=2000の見え方と効果
H=2000は、ほぼ全ての通行人からの視線を完全に遮断できる高さです。身長185cmの人でも、フェンス越しに庭の様子を窺うことは困難になります。
| 項目 | 効果・特徴 |
|---|---|
| プライバシー確保 | 身長185cmでも庭の視線遮断が困難 |
| 圧迫感 | 隣地や道路からの圧迫感が最大 |
| 日照への影響 | 建物3m未満で冬場の日陰影響顕著 |
| 施工コスト | 風荷重増大により基礎工事強化必要 |
プライバシー確保の観点では最も効果的ですが、隣地や道路からの圧迫感は最大となります。 建物との距離が3m未満の場合、特に冬場は日陰の影響が顕著に現れます。また、風荷重が増大するため、基礎工事の強化や控え壁の設置が必要になるケースもあり、施工コストの上昇要因となります。完全なクローズ外構を目指す場合の選択肢です。
4. 風荷重と安全性|強風地域でも安心な固定方法と保証範囲
目隠しフェンスの設置で最も心配されるのが強風による倒壊リスクです。特に高さ1800mmの目隠しフェンスは風を受ける面積が大きく、適切な風荷重計算と固定方法が安全性を左右します。ここでは風荷重の基本から強風地域での対策まで詳しく解説します。
4.1. 風荷重の計算方法
風荷重は「風速×風速×0.6×受風面積」で算出されます。例えば風速30m/s、高さ1800mm×幅2000mmのフェンスパネルの場合、風荷重は約1944N(約200kgf)となります。
| 地域分類 | 基準風速 | 風荷重計算例(1800×2000mm) |
|---|---|---|
| 一般地域 | 30m/s | 約1944N(約200kgf) |
| 強風地域 | 34〜46m/s | 約2500〜4600N(約250〜470kgf) |
建築基準法では地域別に基準風速が定められており、一般地域では30m/s、強風地域では34〜46m/sで計算する必要があります。フェンスの形状係数は板状で1.2、格子状で0.8程度となるため、目隠し度の高いクローズタイプほど風荷重が大きくなります。設計時はこの数値を基に基礎サイズと固定方法を決定します。
4.2. 強風地域での固定方法
強風地域では通常の独立基礎(300×300×600mm)では不十分で、400×400×800mm以上の大型基礎が必要です。さらに基礎同士を地中梁で連結し、風荷重を分散させる構造が推奨されます。
| 対策項目 | 一般地域 | 強風地域 |
|---|---|---|
| 基礎サイズ | 300×300×600mm | 400×400×800mm以上 |
| アンカーボルト | M10 | M12以上(化学アンカー) |
| 追加対策 | なし | 地中梁連結・風抜けスリット |
支柱の固定には化学アンカーボルトM12以上を使用し、既存のブロック塀に取り付ける場合は芯材の鉄筋確認が必須となります。沖縄や九州南部などの台風常襲地域では、フェンス上部に風抜け用のスリットを設けたり、可動式パネルを採用することで風圧を逃がす工法も有効です。
4.3. 保証範囲と対象条件
メーカー保証は通常、製品不良による破損のみが対象で自然災害は免責となります。ただし施工会社の工事保証では、基準風速内での倒壊について1〜5年間の保証を提供する場合があります。
| 保証種別 | 対象範囲 | 期間 |
|---|---|---|
| メーカー保証 | 製品不良のみ | 1〜2年 |
| 工事保証 | 基準風速内の倒壊 | 1〜5年 |
| 保証対象外 | 想定超過暴風・経年劣化 | – |
保証適用の条件は、建築基準法に準拠した基礎工事、メーカー指定の固定金具使用、定期点検の実施などが含まれます。保証対象外となるのは想定を超える暴風、経年劣化による金具の緩み、地盤沈下による変形などです。契約前に保証内容と免責事項を必ず確認し、施工写真や計算書の保管も重要となります。
5. 既存基礎・クローズ外構への施工可否|門柱・門扉との組み合わせパターン
リクシルの目隠しフェンスは、既存の外構に後付けする場合でも様々な設置方法があります。既存基礎への施工や門柱・門扉との組み合わせでは、構造的な制約や美観の調和を考慮した設計が重要です。 特に道路沿いの住宅では、通行人の視線を遮りながらも圧迫感を与えない配置が求められます。
5.1. 既存基礎への施工方法
既存のブロック基礎やコンクリート基礎にフェンスを設置する場合、基礎の厚みと強度が施工可否を決定します。一般的な120mm厚のブロック基礎であれば、H=1200~1800mmのフェンスまで対応可能です。 施工時は既存基礎の上面に支柱を固定し、アンカーボルトで確実に固定します。
| 基礎の種類 | 対応可能高さ | 施工のポイント |
|---|---|---|
| ブロック基礎(120mm) | H=1200~1800mm | アンカーボルトで上面固定 |
| コンクリート基礎(150mm以上) | H=2000mm以上 | 高強度で安定した施工 |
| 薄型基礎(100mm未満) | 補強工事必要 | 基礎補強後に施工 |
基礎が薄い場合や劣化している場合は、補強工事が必要になることもあります。既存基礎への施工は新設に比べて工期を短縮でき、コストも抑えられるメリットがあります。
5.2. クローズ外構での設置
クローズ外構では、敷地境界を完全に囲う形でフェンスを設置します。この場合、隣地境界や道路境界に沿って連続的に配置し、プライバシーと防犯性を最大化できます。 門柱から門柱まで一体的にフェンスを設置することで、統一感のある外観を実現します。
| 設置箇所 | 効果 | 注意点 |
|---|---|---|
| 道路境界 | 完全な目隠し効果 | 風圧対策が必要 |
| 隣地境界 | プライバシー確保 | 隣地との協議 |
| 門周り | 防犯性向上 | 門扉との調和 |
クローズ外構では風の抜け道が少ないため、通風タイプのフェンスを選択することで風圧による倒壊リスクを軽減できます。子育て世帯では特に、道路からの完全な目隠し効果が得られるため安心感が高まります。
5.3. セミオープン外構での設置
セミオープン外構では、門周りや人目につきやすい部分に限定してフェンスを設置します。玄関前や庭の一部のみに配置することで、開放感を保ちながら必要な箇所だけプライバシーを確保できます。 この設置方法では、フェンスの高さや透過率を部分的に変えることで、視線の抜けをコントロールします。
| 設置パターン | 適用箇所 | 効果 |
|---|---|---|
| 部分目隠し | 玄関前・窓前 | ピンポイントなプライバシー確保 |
| 高低差配置 | 道路沿い | 圧迫感軽減と開放感維持 |
| 透過率調整 | リビング前 | 光と風の確保 |
道路沿いの窓前にH=1800mmの目隠しフェンスを設置し、その他の部分は低めのフェンスや植栽で仕上げるパターンが多く採用されています。
5.4. 門柱との組み合わせ
門柱とフェンスを組み合わせる際は、デザインの統一性と構造的な連続性が重要です。門柱の材質や色調に合わせてフェンスを選択することで、一体感のある外観を実現できます。 機能門柱の場合は、インターホンや郵便受けの位置を考慮してフェンスの高さを決定します。
| 門柱タイプ | 組み合わせポイント | 構造上の配慮 |
|---|---|---|
| 機能門柱 | 設備位置との調整 | 基礎強度の確認 |
| デザイン門柱 | 材質・色調の統一 | 連続性の確保 |
| 既存門柱 | 既存との調和 | 補強の検討 |
門柱の幅に応じてフェンスの割り付けを調整し、美しい仕上がりを確保します。構造的には門柱を起点としてフェンスを展開するため、門柱の基礎強度が全体の安定性に影響します。
5.5. 門扉との組み合わせ
門扉とフェンスの組み合わせでは、開閉動作に支障がないよう十分なクリアランスを確保します。門扉の開き方向や開口幅に応じて、フェンスの配置を調整する必要があります。 両開きの門扉の場合は、門柱間のスパンに合わせてフェンスの割り付けを決定します。
| 門扉タイプ | 配置の注意点 | 防犯効果 |
|---|---|---|
| 片開き門扉 | 開閉クリアランス確保 | 隙間の最小化 |
| 両開き門扉 | スパン割付の調整 | 連続的な目隠し |
| 引き戸タイプ | レール部分の配慮 | 侵入経路の遮断 |
門扉とフェンスの高さを揃えることで水平ラインが強調され、整然とした印象を与えます。防犯面では門扉とフェンスの隙間を最小限に抑え、侵入経路を遮断する配置が効果的です。通行人の視線が気になる道路沿いでは、門扉部分も含めて一体的な目隠し効果を計画します。
6. 失敗しない外構工事のポイント|NG事例から学ぶ施工前チェックリスト
外構工事は一度施工すると修正が困難で、失敗すると大きな損失につながります。特に目隠しフェンスは高さや位置を誤ると圧迫感や風倒リスクが生じ、生活の快適性を損なう可能性があります。事前の現地調査と業者選びが成功の鍵となるため、施工前に確認すべきポイントを整理しておきましょう。
6.1. よくある施工失敗事例
目隠しフェンスの施工失敗で最も多いのが、高さ設定の誤りです。H=1800mmで完全な目隠しを期待したものの、隣地との高低差を考慮せず視線が遮れないケースが頻発しています。また、通風を重視してセミオープンタイプを選んだにも関わらず、風荷重計算が不十分で台風時に倒壊する事例も報告されています。クローズ外構を目指したものの、既存基礎の強度不足により追加工事が発生し、予算オーバーとなるパターンも少なくありません。
代表的な失敗パターンと原因
| 失敗事例 | 原因 |
|---|---|
| 高さ設定の誤り | 隣地との高低差を未考慮 |
| フェンス倒壊 | 風荷重計算の不備 |
| 予算オーバー | 既存基礎の強度不足 |
| 圧迫感の発生 | 事前の視線確認不足 |
これらの失敗は事前調査の不備が原因となっており、施工後の修正には多大なコストがかかるため、計画段階での慎重な検討が不可欠です。
6.2. 施工前の現地調査項目
現地調査では、まず隣地との高低差と道路からの視線角度を測定します。子育て世帯が気にする通行人視線は、地盤高の差により想定より低い位置から侵入するため、複数ポイントでの確認が必要です。既存基礎の有無と状態も重要で、コンクリート基礎の劣化やひび割れは補修または新設が必要となります。風向きと周辺建物による風の流れも調査し、特に道路沿い宅では車両通行による風圧も考慮します。
現地調査の必須チェック項目
| 調査項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 高低差測定 | 隣地・道路との地盤高の差 |
| 視線角度 | 複数ポイントからの侵入角度 |
| 基礎状態 | 既存基礎の劣化・ひび割れ |
| 風環境 | 風向き・車両風圧の影響 |
| 埋設物 | 上下水道・ガス管の位置 |
地中埋設物の位置確認も欠かせず、上下水道やガス管との干渉を事前に把握しておくことで、施工中のトラブルを未然に防げます。
6.3. 業者選びのチェックポイント
施工業者選びでは、まず風荷重計算と基礎設計の技術力を確認します。H=1800mmクラスの目隠しフェンスは構造計算が必要なため、建築基準法に準拠した設計書を提出できる業者を選びましょう。保証範囲の明示も重要で、台風などの自然災害時の対応方針を事前に確認します。施工実績では、同様の道路沿い宅やクローズ外構の経験が豊富な業者が安心です。
信頼できる業者の判断基準
| 評価項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| 技術力 | 風荷重計算・構造設計の対応可否 |
| 法令順守 | 建築基準法準拠の設計書提出 |
| 保証内容 | 自然災害時の対応方針明示 |
| 施工実績 | 同様条件での豊富な経験 |
| 提案力 | 現地調査に基づく適切な提案 |
見積もり段階で現地調査を丁寧に行い、高低差や風環境を考慮した提案をする業者は信頼性が高く、施工後の圧迫感リスクを回避できます。
7. まとめ
リクシルの目隠しフェンスは、アルミ・樹脂・スチールなど多彩な素材とデザインに加え、高さや風通し性能、設置場所ごとの最適な選択肢が揃っています。特に「プライバシー」「防犯」「デザイン性」「風通し」といった外構工事で重視される要素をバランス良く叶えたい方にとって、この記事でご紹介した比較ポイントや施工事例は、失敗しないフェンス選びの一助となるはずです。既存基礎や門柱・門扉との組み合わせ、強風地域での安全性対策なども含め、細かな条件に合わせた提案や現地調査が重要です。弊社ではリクシルフェンスをはじめとする外構工事について、現地調査からご提案・施工まで一貫対応しております。ご自宅に最適な目隠しフェンスをご検討の際は、ぜひお気軽に 無料相談・お見積もり をご利用ください。専門スタッフが丁寧にサポートいたします。






