こんにちは。外構のスペシャリスト、長谷川造園の長谷川です。

 

外構は、大きく分けて3つのスタイルに分けることができ、そのスタイルによって工事期間がかわってきます。また、外構工事の面積によっても工事期間が大きく変わってくるため、一概にどれくらいの工事期間がかかるとはいえませんが、大まかな目安を知ることで、様々な準備や計画をすることができると思います。

 

■外構のスタイル

外構のスタイルによって必要な工事期間が変わってくるため、まず最初に、外構のスタイルについて説明します。

外構は大きく分けて、「クローズド外構」「オープン外構」「セミクローズド外構」の3つに分けることができます。これは、塀、門や駐車スペースなどの設置する構造物の違いによって外構のスタイルが変わってきます。

 

クローズド外構

塀やフェンス、生け垣などで家の周囲を囲う外構のことを「クローズド外構」と言います。

塀やフェンスなどを設けて、敷地の外周をすべて囲うことで隣地境界線や道路境界線が明確になることで、敷地の区別がはっきりとつきます。また、門扉、フェンスなどをトータルコーディネートすることで、まとまりのある空間を作ることができます。

周囲を囲むため、敷地内に不審者が入りにくくなるため、防犯性の高さが「クローズド外構」のメリットです。

デメリットしては、塀やフェンスで建物を囲むので、工事に必要な期間は長くなります。

 

オープン外構

クローズド外構とは反対に、塀やフェンスで家の周りを囲わないのが「オープン外構」で、開放的な印象があり、欧米で多く見られるスタイルです。また、東京圏や大阪圏などの都市部では、土地の面積が狭いため、このような地域では、塀やフェンスにスペースを使わないオープン外構が人気です。

オープン外構は、設置する構造物が少ないので、工事に必要な期間も、クローズド外構に比べて短くなるとともに費用も抑えやすいのがメリットです。

デメリットとしては、窓の位置によって日常生活が丸見えになるケースもあるので、注意が必要です。プライバシーを重視する場所は植栽やフェンスなどで視線を遮るような工夫が必要になってきます。

 

セミクローズド外構

プライバシーを保つクローズド外構と、開放感を重視するオープン外構の中間の特徴を持つのが、「セミクローズド外構」で周囲の一部は塀やフェンスなどで囲い、一部はオープンにする外構です。

防犯性能を高めるべき部位は閉鎖的に、他の部位は開放的にするなど、それぞれのメリットを組み合わせる事で自由なコーディネートにすることがでるため、最近人気があるスタイルとなっています。

クローズにする場所とオープンにする場所の度合いによって、必要な工事期間が異なってきます。

 

「クローズド外構」「オープン外構」「セミクローズド外構」のどれかの外構スタイルにするかによって工事期間が変わってきますが、一般的な一戸建て住宅の外構工事であれば、約2週間から1か月程度かかってきます。

 

■工事期間

作業毎の工事期間をこれから解説していきます。

 

コンクリートブロック塀

コンクリートブロックを積み上げて作った塀のことを、「ブロック塀」と言います。

ブロック塀の高さや長さにより変化しますが、普通の戸建ての場合、約2~7日の工事期間が必要となります。

また、色や柄が入った化粧ブロック塀もありますが、工事期間はコンクリートブロック塀と特に変わりません。

地震などによってブロック塀が倒壊する事例があり、ブロック塀を施工するときは、建築基準法などの規準や規定によって推奨する数値などが決まっています。そのため、DIYでブロック塀をする場合はくれぐれも注意してください。

 

フェンス

フェンスにはアルミ製、木製やスチール製などの様々な素材やデザインのフェンスがあり、施工の手間が変わってきます。普通の戸建てのフェンス設置工事の場合、約23日の工事期間が必要となります。

既製品であれば1日で工事が終わる場合もありますが、上記の工事期間があれば施工可能です。

フェンスはとても種類が多く、設置する場所や素材、目的によって費用が大きく変わってくるので、目的や建物の印象に合わせたフェンスを選ぶようにしてください。

 

門柱(もんちゅう)門扉(もんぴ)

門柱も大きさや素材、仕上げによって工事期間が変わります。

既製品の門柱を取り付ける工事であれば、12日で工事が終わることもあります。

門扉についても、様々な形状や素材がありますが、基本的に取り付け工事だけを行いますので、工事期間は通常は1日で工事が終わります。

また、門周りには、照明やインターホンなどを設定することがあり、電気配線の工事が必要になり1~2日ほど必要になります。

 

カーポート(駐車スペース)

カーポートも様々なデザインやサイズがあり、設置作業の手間が変わってきます。早いものだと1日で終わりますが、デザインが複雑であったり、サイズが大きかったりすると5日程度かかることがあります。標準的な形であれば、1~3台用のカーポートであれば、1~2日かかります。また、床面を土間コンクリートで舗装する場合には、土間コンクリートの工事期間も必要になり、舗装の面積やコンクリートの厚みにもよりますが、4~14日ほど必要になります。工事期間としては2~3日程度ですが、コンクリートが固まるまでの養生期間が3~10日必要になります。コンクリートの養生とは、コンクリートの主要材料であるセメントの水和反応を十分に発揮させために行います。それと同時に、コンクリートが外部からの力に耐えることができる強度になるまで保護が必要です。コンクリートの養生に失敗するとコンクリートの強度や耐久性が低下してしまうため養生期間はとても期間となります。

カーポートの場合、風の吹き上げにより屋根が飛ばされたり、積雪で押しつぶされたりすることがあるので、カーポートの強度や施工にも十分に気を配る必要があります。

*ちなみに、当社で主に施工しているカーポートは100㎝~200㎝までの積雪と46/秒相当の風圧に耐えることができ、平成30年の福井豪雪並みの積雪があったとしても大丈夫なものなので、お客様にも安心してお届けできます。

 

植栽

植える本数や、樹の種類にもよりますが、施工期間は12日かかります。

植栽は、夏の暑い日に木陰をつくったり、外からの視線を遮ることができたり、四季を感じさせたりと、様々な機能がありありますが、19701990年代に比べると植栽を楽しまれる方も少なくなってきているので、植栽工事を行う業者を探すのに時間がかかる場合もあるかもしれませんが、お困りの際は是非当社にご相談ください。また、当社であれば必ずご希望に合った植栽をご手配させていただきます。

 

以上が、外構工事で行う作業毎の必要となる施工期間の目安です。

最も長い期間の外構工事でも、トータル1か月以下で完了することがほとんどです。

しかし、上記の期間はあくでも目安の施工期間であるため、外構のスタイルや面積によって工期が長くなるケースがあります。

 

 

■外構工事が長くなる場合

できるだけ効率の良い工事ができるよう、綿密な工程計画をたてますが、次のようなこことで施工期間が伸びることがあります。

 

天候不順による工期延期

外構工事は、屋外での作業となるため、天候によって工期は大きく左右されます。近年は、大型台風、風害、豪雪、豪雨、猛暑などによる気象災害が各地で発生し当社も苦労しております。

特に5月末から7月頭くらいの梅雨の時季や8月中旬から10月の台風の時季、12月から2月の時季の雪は天候不順を見込んだ工程計画としますが、平成30年の福井豪雪並みの積雪などのような天候によってはそれ以上遅れる場合もあります。

 

近隣住民とのトラブルによる工期延期

外構工事では、隣地に立ち入らないとフェンスなどの工事ができない場合があります。

隣地境界にシビアな方も多くおられ、隣地に入ることができなかったり、工事の騒音などで近隣住民からクレームが入ったことで工事を中断することもあります。

 

■外構工事の工期が大幅に遅れたら

工事請負契約がおこなわれていれば、予定していた工期より遅れたことに対するペナルティについても記載されています。

 

工期遅延による損害

契約書に工期遅延に関するペナルティが記載されていても、通常は「工事業者の責任で工事が遅れた場合」という条件付きになっています。

しかし、「天候不順」によって工期が遅れた場合、工事業者では天候をコントロールできないため、工事業者の責任を追及することができません。つまり、工事業者の責任により工期が遅れた場合のみ損害賠償請求が可能になります。