フェンスの設置工事で気を付けるべき隣人トラブル事例解説!!

こんにちは。外構のスペシャリスト、長谷川造園の長谷川です。

 

外構工事のなかで、フェンスや塀を設置することが多くあります。家の目隠しや印象を変えたい時などに設置されるフェンスですが、エクステリア商品の中で多く利用されています。フェンスは、隣の敷地に一番近くに設置するエクステリアになるため、隣人とのトラブルが生じることも少なくありません。そのため、フェンスを設置する場合は、隣に与える影響なども考慮して設置する必要があります。

そこで、今回はフェンスを設置する際に注意すべき3つのポイントとよくあるクレームを紹介させていただきます。

 

■フェンスが敷地境界を越境してしまっている

お隣の敷地際にフェンスを設置する場合、最も気を付けておかなければならないのが「隣地境界線」です。「隣地境界線」とは、敷地と敷地との境目を示す線のことで、一般的に、「境界標」や「境界杭」が打たれ、それぞれを結んだ線のことをいいます。

しかし、「境界標」や「境界杭」がなく、境界が曖昧になっている場合も多く、間違って隣の敷地に越境してフェンスが設置されていることがあります。そうなった場合、フェンスを撤去する必要がありますし、お隣さんとの関係が悪化する場合もあります。

設置されたフェンスは、簡単には移動できません。そのため、境界際にフェンスを設定する場合は、必ず「境界標」や「境界杭」を確認し境界ラインを確認しましょう。

古い街並みや昔からある土地の場合、「境界標」や「境界杭」がなく、境界が曖昧なことがあります。その場合は、費用はかかってしまいますが、土地家屋調査士に調査を依頼し、お隣さんと協議をして、境界杭の確認をするか境界を改めて確認する「確定測量」を行うことをおすすめします。そうすることで、境界部分のトラブルの発生を未然に防ぐことができます。

なお、100200㎡程度の土地で官民立ち合いの必要な確定測量費用が6080万円ほどで、官民立ち合いの不要な確定測量費用が3545万円です。ただし、同じ広さでも地形が複雑な場合や隣地の権利に関わる人が大勢いる場合には確定測量費用も高額になってきます。

 

■フェンスを設置したことでお隣への日差しや風通しを遮った

自分の敷地内にフェンスを設定することは自由です。また、目隠しフェンスを設置するのも自由です。しかし、急にフェンスが設置されたことで暮らしに不具合が起きれば、トラブルに発展してしまいます。また、一般常識を超えるような異常な大きさのフェンスであれば、受忍限度の範囲をこえると判断され、撤去を命じられることがあります。

特に2m以上のフェンスを設置する場合は、隣接する土地の住民にフェンスを建てようと思っている旨を伝え、高さやデザインなどを事前に説明したほうがいいと思います。また、フェンスによって日差しや風通しを遮る事がないかを調べ、日差しが遮られるようであれば、採光性の高いポリカーボネート素材のフェンスを採用することでトラブルの発生を未然に防ぐための防衛策にもなります。

 

■フェンスを設置したことで圧迫感や閉塞感がある

高すぎるフェンスは圧迫感や閉塞感を与えてしまいます。また、フェンスは高さだけでなく色やデザインによっても周囲に圧迫感を与えることもあります。高いものを設置する必要がある場合は少ないと思いますが、2mを超えるようなフェンスの場合には、事前にお隣さんに設置を計画していることを伝えておくのがいいと思います。

「圧迫感」は数字で表せない、主観に基づくものなので、なかなか解決策を見出すのは難しいかと思われます。そのため、スクリーンタイプのものや木調タイプのデザイン性の高いものを選べば、そのような主張は避けられるかもしれません。また、高さについても目隠しに必要な最低限の高さを押さえておくことで、近隣トラブルの回避にもなります。

 

■まとめ

隣人とのトラブルはとても怖いものです。Twitterで検索してみると、隣のフェンスが邪魔で車の乗入が面倒になったなどといった声もございましたので気を付けましょう。

トラブル防止のためにもお隣の敷地際にフェンスの設置工事をする場合、まずは隣の敷地の方に一声かけることが大切です。お隣さんと出会ったときには、挨拶をしておくなど、簡単なコミュニケーションでなどでかまいません。数多く顔を合わせるだけで、印象は悪い方向にはなりません。心理学用語で、「単純接触効果」といいます。

お隣さんとの関わりが少ない現代では、交渉が憂鬱なこともあるかもしれませんが、お隣さんときちんとコミュニケーションすることでトラブルを回避することができます。