エクステリアを考える上での芝生について

こんにちは、芝生選びのプロ、長谷川造園の長谷川晃大です。

最近、ウィズコロナの影響もあり、ご自宅で家族・友人と過ごす庭つくり・エクステリアについて考え方が変わってきています。

 

その中で「公園のようなお庭があったらいいなぁー」と考える方が増えてきています。そして、考えなおされてきているのが「芝生」についてです。

 

よく海外の映画ワンシーンで週末に、ご主人がカートや芝刈り機で芝刈をしている様子があったりします。芝も日本産の芝から外国産の芝まで種類がいくつかあり、また最近では人工芝のグレードもあがってきており、天然芝と見分けがつかない商品も数多く出ています。

 

しかし、選択肢がたくさんあることから、どの種類の芝生が良いのか?メンテナンスはどうすればよいのか?コストはどのくらいかかるのか?など悩みも増えてしまうかと思います。

 

今回は、どこよりも詳しく分かりやすく、芝生の違いについても解説した、必ずお役に立てる内容になっておりますので、ぜひ最後までお読み頂ければ幸いです。

 

1自分の庭・エクステリアにふさわしい芝生の見つけ方

日本産芝生

外国産芝生

2コスト

日本産芝生のケース

外国産芝生のケース

3芝の施工方法

4天然芝VS人工芝

メンテナンス

寿命について

施工する場所

 

5芝生をDIYする

計画を立てる

芝生を選ぶ

完成した芝生の高さをイメージする

土入れの可否

整地をする

芝生を張る

芝生を張った後の目土

芝生を張ったあとの水やりについて

6芝生のメンテナンスについて

水やりについて

肥料(施肥)について

雑草(除草)対策

芝刈について

目土について

虫について

7芝生を育てる上で悩むこと

 

1自分の庭・エクステリアにふさわしい芝生の見つけ方

 

芝生と言っても、冒頭でお話ししたように種類もたくさんあり種類によって施工方法やメンテナンスにも違いがあります。今回は、芝生の種類によってメリット・デメリットがありますので、自分のライフスタイルにあった芝生の見つけ方をご紹介します。

 

日本産の芝生(日本芝)

 日本は縦長の列島ですが、高温多湿な地域が多く、このような気候に適して品種改良されてきたのが日本産芝生になります。

一般的な種類は、野芝(ノシバ)、高麗芝(コウライシバ)、姫高麗芝(ヒメコウライシバ)

カインズやコーナンなどホームセンターでよく見かける芝生になります。

 

日本産の芝生は、冬になると休眠期と言われる、成長せずに茶色になる時期があるのですが、春になるとまたきれいな緑色になり季節で楽しむことができます。

 

残念ながら、北海道・東北など寒い地域では寒さに弱い日本産は適さないとされています。

ただ、経験上雪の多い地域(積雪300㎝以上)でも雪が解けた後日本の芝でもしっかり育ちますのでご安心いただければと思います。むしろ雪ではなく、日本の芝生は寒さに弱いとされます。(-5以下が2週間続くようだと影響があると言われています)

 

・メリット夏の蒸し暑さや乾燥にも耐え、踏みつけられる強さ(踏圧)もあります。比較的、肥料も少なく育てることが可能です。

 

・デメリット日本の芝生は、種を撒いて育てるものではなく、正方形の芝生をペタペタ張っていく施工になります。暖かい時期には、イメージされている青々とした芝生になりますが、11~3月は茶色になります。暖かくなるとまた、青々した芝生になります。

 

最近では、世界のトヨタ(自動車メーカー)が開発したTM-9といったヒメコウライ芝の改良品種もあります。お値段は高い(11500円ー2000円)ですが、芝生管理の手間が半分になる品種です。(芝の伸びが遅く、芝刈が半減します。)

 

外国産の芝生(西洋芝)

北海道など寒い気候などで一般的に使われているのが西洋芝です。ゴルフ場でもよく見かけるものがこちらになります。西洋芝には大きく、暖地型(ダグラス類やティフトン類、ウーピングラブグラス)と寒地型(ベントグラス類・ブルーグラス類)にわかれます。

 

暖地型は、日本芝と性質がよく似ており、高温多湿でも強い芝生です。逆に寒地型は比較的気温の低い環境でも育ちやすく、夏の暑い時期には弱いです。

 

西洋芝は、冬も青々としている反面、芝生の伸びが良いので、芝生のメンテナンスに時間を掛けられない方には負担が大きくなってしまいます。

 

・メリット種をまくことで簡単に増やすことができます。また、あまり日当たりが良くない所でも育ちます。

 

・デメリット気温が高く・湿度が高く・乾燥する場所には弱くて、日本芝に比べて肥料をまく量・回数が多くなり、芝刈をする回数も増えてきます。

 

弊社が施工したお庭・エクステリアでは、日本芝を使用することがほとんどとなります。(ほぼ99分日本芝です)西洋芝を選ばれるお客さんは1年中青々とした芝生をこの前る方。芝刈りなど定期的な芝生のメンテナンスが好きだったり、時間に余裕のある方が希望されます。6~9月の間は西洋芝の場合、毎週の芝刈りが必要な場合もあります。

 

2コスト

日本芝か西洋芝かの選択、また芝生を植える土地の状態で、整地が必要なのか不要なのかでも料金が変わってきます。

 

日本芝のケース

 ・芝を張るだけの状態の場合1,000~2,000/

・土地を整地する必要があり、小石が散らばっており、土入れが必要、また、既存の芝生をはがさなければならない場合3,000~5,000/

TM-9の場合  \2,000~4,000/

 

西洋芝のケース

 ・芝を張るだけの状態の場合4,000~6,000/

・土地を整地する必要があり、小石が散らばっており、土入れが必要、また、既存の芝生をはがさなければならない場合5,000~7,000/

 

上記の価格は、1例ですので施工を考える際のひとつの参考にしていただければと思います。

 

3芝の施工方法

 芝生の張り方にも種類がいくつかあり、それによって値段や雰囲気も変わってきます。

芝生はあくまで生き物なので、施工したすぐの状態で判断せずに、メリット・デメリットを長いスパンでプランニングを考えていただくのも大事かと思います。

 

ベタ張り

正方形にカットした芝生を、隙間を空けずに並べていき、一番オーソドックスな芝生の張り方になります。

 

目地(めじ)張り

正方形にカットした芝生を、張る施工方法はベタ張りと変わりませんが、芝の間隔を34cm離して並べていきます。その隙間を芝生が伸びて埋めていくまで数カ月かかりますが、芝生の量を9割から8割に済ませることが可能です。

 

それ以外の張り方もいくつかありますが、お庭・エクステリアで実際に行う施工方法では上記の2つが一般的です。下記の張り方は参考程度に記載しております。

 

十文字張り

目地(めじ)がそろって見た目がきれいですが、雨が降ったりすると、その目地(めじ)に沿って土がながれやすくなるので、地面が斜めになっている所では適しません。

 

筋張り

芝を筋状に張り、傾斜の土の流出を抑えることができます。公共工事の法面などにてきしておりますが、あまり民間のお庭・エクステリアで施工することはありません。

 

市松張り

ぱっと見、芝の量が少なくて済むように見えるのでお手軽に感じるかもしれませんが、その変わり土を入れたり、管理がとても大変です。京都の東福寺などはきれいな市松張りであり、これは最近は鬼滅の刃がアニメで人気ですが、主人公の竈門炭治郎(かまどたんじろう)が着ている緑と黒の模様の服のようなデザインです。市松張りは、管理に時間をかけられる方でないと、難しいかなと思います。

 

4天然芝VS人工芝

 最近、お客様から人工芝のお問い合わせも増えてきており、人工芝自体も改良がくわえられてきており、自信をもってお勧めできる商品も増えてきました。FIFA(サッカーのワールドカップでもお馴染みの国際サッカー連盟)公認の人工芝もでてきております。

果たして、天然芝と人工芝はどのように違うのでしょうか?

お客様のライフスタイルを考えながらご紹介していきます。

 

 

メンテナンス

 

天然芝

 

人工芝と天然芝の決定的な違いは、天然芝は「生き物である」ということです。「生き物」なので当然放置していると、天然芝はどんどん芝生が伸びてきますし、雑草も生えてきます。また、虫・水やりの問題で枯れてしまうこともありますので、頻繁にお手入れが必要になります。しかし、芝刈をした時の芝の匂いや天然芝しかだせない「青々しさ」はまだ人工芝は到達しておりません。

 

人工芝

一度張ってしまうと、特別なお手入れは必要ありません。しかし、年数がたつと経年劣化により色が多少変わってきます。また、人工芝はシートをはるので、シートとシートとの目地の線が出やすくなります。

 

 

寿命について

 

天然芝

 

きちんと管理が行き届いていれば、1020年、50年でもずっと、お楽しみいただくことができます。

 

人工芝

使用する環境にもよりますが、メーカーではだいたい812年と言われています。

 

施工する場所

 

天然芝

 

重要なポイントなので繰り返しになりますが、天然芝は「生き物」なので、日当たりは非常に重要です。北側や軒下など日が当たらないところは、天然芝には向いていません。

 

 

人工芝

 

日当たりや施工面積に関係なく施工することができます。

 

 

 

5芝生をDIYする

 

まず、ご自身で芝生を張る場合は、しっかりと今後のライフスタイルも含め計画をたてましょう。芝生を張ることはそんなに難しいことではありませんが、天然芝の場合、生き物であるため、管理をすることを考えておかなければなりません。

 

100㎡以上、天然芝を張る場合は、お近くの造園屋さんに管理の相談をしても良いかもしれませんね。

また、天然芝と人工芝の場合、施工は天然芝の方が比較的簡単かと思います。そして、天然芝も人工芝もご自身で施工されることにより、一層愛着がわいてくるものです。

 

①芝生を施工する時期

天然芝を施工する場合は、やはり芝生を施工するのにふさわしい時期があります。

ホームセンターでも7月から9月までは芝生が置いてないところも多いです。

 

天然芝を張るのに、向いている時期は3月~6月と言われています。また10月以降の寒い時期も色がきれいに出るのは、翌年以降になりますが、施工は可能となります。

 

暑い夏場の時期は避けたほうが良いでしょう。根がつかず、水管理も大変になります。

 

 

芝を選ぶ

 

福井の嶺北の場合なら芝政、それ以外でもホームセンターなどに10枚が一束になって売っています。一束の目安は一束=1㎡となります。

種類もいくつかありますが、ノシバ、コウライシバ、ヒメコウライが一般の方々にも育てやすい品種(値段も1700円ー1,000円であり、気候にあまり左右されず育ちやすい)となっています。また、ホームセンターの芝生は、長い期間売り場に放置されているケースもありますので、束になっている芝生の中身もしっかりチェックしてご購入ください。

 

完成した芝生の高さをイメージする

 

エクステリアとして完成した芝生の高さをイメージしてください。芝生以外の土地と芝生の高さをあわせるなら、芝生以外の土地よりも5㎝-10㎝低いところに芝生をはることになります。もし、下地の土の水はけが悪かったり、石が多い場合は、芝生に適した土(山砂:やまずな)を芝生の下に5㎝程ひくことになりますので、その場合は、仕上がりの高さから、10㎝-15㎝低い状態にしなければなりません。土をけずる作業を我々は、「すきとる」と言います。「すきとる」は専門用語ですので、一般のお客様は覚えてなくても大丈夫ですよ(笑)

 

 

土を入れの可否

 

芝生に適している土は、一般的に山砂(やまずな)と言われています。水はけがよく、石ころも少ない砂となります。

 

整地をする

 芝生の仕上がりは、天然芝、人工芝とも整地でほぼ決まります。

ここが一番重要となり、一般の方には中々難しい作業となります。しっかりと整地をしないと雨が降ったときに水たまりができたり、水がたまることによって、苔(コケ)が生えてくる原因にもなってきます。したがって勾配も考えながら整地することが望ましいです。一般的に水勾配(みずこうばい・水が流れる地面の傾きのことです)は2%前後となります。

 

芝を張る

 

整地がしっかりできたら、いよいよ芝張りの作業になります。周りをよく見ずに芝張りの作業に集中してしまうと、ついつい曲がったりしますので、紐などを張って遠くから確認しながら作業することをお勧めいたします。

構造物など、障害物がある場合は、芝生の余分な個所をハサミで切ってサイズを合わせてください。芝生が重なり、無理にはめ込もうとすると、芝生の根付きが悪くなり枯れる原因になるのでご注意ください。

 

芝生を張った後の目土(めづち)

 

芝生を張った後に目土(めづち)を行っていただきます。目土(めづち)をしっかりやることで芝生の根付けがしっかりできるようになり、芝生の生育状態がよくなります。だいたい1~2㎝の厚みで目土(めづち)をしていただきます。

 

芝生を張ったあとの水やりについて

 

下地の土は新しい土となりますので、水分がないこともあり、芝生を張り終わったらしっかり水を撒いていただきたいです。

 

6芝生のメンテナンスについて

 

芝生を張った後、芝生を長く楽しんでもらうために、しっかりとしたメンテナンスが重要になってきます。お家の環境・季節・芝生の種類も考えながら芝生のメンテナンスをしてください。

 

水やりについて

 

芝を張ってすぐの1ヶ月間くらい(特に7-9月)は、毎日水をまいていただきたいです。できれば朝と晩の2回が望ましいですが、あまり水をやりすぎると、芝生が弱くなってしまいますので、2回が無理な場合は、一日1回晩に撒くことをお勧めいたします。

夏場が近いときには2回を心掛けてください。ただ、夏場は朝に水やりをすると、夏はすぐに気温が高くなり、お湯を撒いているのと同じ状況になってしまうので、朝に水をやるなら、7時くらいまで、早朝が無理なら17時以降に水やりすることをお勧めします。

 

肥料(施肥:せひ)について

 

芝生用の肥料(施肥:せひ)は、芝生の成長期4月~10月頃に月1回を目安に実施してください。

 

 

雑草(除草)対策

 

芝が伸びるのと同様に、雑草ものびてきます。こまめに草取りをしていただくのも良いですが、芝生用の除草剤もあり、最近では環境・ペット・人体にも影響が少ない商品もございますので、そちらもご検討ください。

 

芝刈について

芝生が25㎝程度になったら刈るようにしてください。それ以上伸びた状態で刈ると、刈る手間もかかりますし、芝が弱る理由の一つとなります。最近は、家庭用ロボット掃除機ルンバのような自動で芝を刈ってくれる芝刈機も発売されているので、そういった商品もご検討いただくと、芝刈がさらに楽しくなります。

 

目土(めづち)について

 

芝の育ちが悪い場所を中心に目土をしていきます。目土をすることによって、芝の生育を助けますが、その分、土の高さが高くなります。

 

害虫について

 

天然芝の場合は、虫も気になります。虫が発生する前の春先や秋口に防虫剤の散布をします。それでも出てきてしまったら、早めに薬剤散布を実施します。

 

 

7芝生を育てる上で悩むこと

 

芝生を育てることは、難しく感じることが多いですが、毎年することも決まってくるので、楽しみながら芝生を管理していただければと思います。

 

芝生は手をかけるほど、愛着も湧いてきて、ご自身のライフスタイルに合った管理ができてくるかと思います。

例えば、新築の時は、庭が全面コンクリートでいいなと思っていても、お子さんができたりペットを買って、コンクリートを撤去して、芝生を施工しようと思うと、コンクリートの解体・撤去料(およそ10万円は超えてくるかと思います。)が芝生を施工するプラスの料金としてかかってしまいます。

それでも、悩むことは多いかと思いますがお近くのエクステリア店・造園屋さん・ホームセンターの方にご相談ください。植物が好きな人に悪い人はいません。きっと的確なアドバイスを頂けるかと思います。